豊かな未来をデザインする。

2019.11.1

さて、問題です。
日本に生息する野生の鹿は何頭いると思いますか?
推定600万頭と言われています。
鹿は木の芽や樹皮を好んで食べ、そうやって皮がなくなり丸裸になった木は死を迎えます。
その結果、土地が痩せ、土砂災害が引き起こされてしまい、
林業被害、土砂災害対策、農業被害も含めると。年間の被害額は1500億円を超えます。
その土地の猟師や行政は様々な対策を講じていますが、年間の捕獲頭数は60万頭にしか達しません。

これだけの情報だと、鹿はただの害獣で終わってしまいますが、
その食肉としてのポテンシャルがとても高いことはそんなに知られていません。
低カロリーで高タンパク、そして鉄分が豊富。
アスリートや体型を気にしている人にオススメの食材です。
そんな鹿肉の価値に目をつけ、たくさんの人に食べてもらうことで森の生態系を守り、
その大切さを訴え続けていくという志を持って起業したいと、
Hotchkissにブランディングを依頼してきたのが伊藤社長でした。

伊藤社長の案内でまずはその現場を視察することに。
伊豆修善寺にある鹿肉と猪肉の処理施設で、その工程を見せてもらいました。



処理の様子

捕獲し止め刺した鹿を猟師が運んでくると、頭部を落とし、皮を剥ぎ、内臓を丁寧に取り出し、
適切な処理をして、熟成庫に。
熟成した肉は部位ごとに切り分けられ、真空包装後、冷凍、出荷となります。
このような施設は全国にあるようですが、その処理能力には限界があります。
需要は地元の食肉店かレストランぐらいしかないので、出荷量も多くはありません。
全国で捕獲されている頭数は60万ですが、食肉として利用されているのはその10分の1。
残りは破棄されているのです。

そんな現場を目の当たりにすると、ますます伊藤社長を応援しなきゃという思いが強くなります。
コピーライターの国井美果さんから「THANK WASIKA COMPANY.」という社名を授かり、
「森と鹿と人の共生」というビジョンをロゴマークに集約。



THANK WASIKA COMPANY. ロゴ

まずは鹿肉の供給・販売からのスタートですが、今後は都内での出店計画も考えているといいます。
美味しい鹿肉を食べることで良い循環を生み出す豊かな未来を、
今後も伊藤社長と一緒にデザインしていきたいと思います。

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